桜の名所と津軽百年食堂

 

津軽百年食堂というものがあることを知ったのは、ふと眼に留めた本によってであった。歴史の長い、代々続いてきた食堂をそう呼ぶらしい。映画化もされたとは聞いたが、見ていない。その本を読んで妙にそこに行きたくなった。相棒を誘ってそこに出かけたのはゴールデンウィークの少し前、ちょうど弘前城址の桜が見頃との情報もあった。

DSC01904


桜祭りの期間は、本のモデルで今回の目的である「三忠食堂」は城跡の公園に出店していることも本によって知っていた。

まさしく桜は満開、多くの人で賑わっていた。


DSC01905

 

午前中だったのでまだ食堂は開いたばかりで人はいなかったが、その雰囲気を堪能するのには絶好の機会だった。

DSC01911


お約束の「津軽そば」は残念ながら絶品とは言いがたいけれど、昔の日本の食堂にはこんな味のものが溢れていたような懐かしさがあって、さすが百年食堂と、妙に感心をさせられたのだった。

小説の世界が広がったなんともいえない、静寂な心温まる時間であった。

食事を済ませ外に出る。

DSC01981



そこは沢山の屋台やカメラを抱えた観光客が一杯で、呼び込みの声や観光客の嬌声などが響く猥雑な世界になっていた。

DSC01979

桜はちょうど満開で、すでに「散る準備」を整えて僕たちを迎えてくれた。

DSC01894